ペンの練習

久々にらくがきとか色々

 
久々のリクーム

 

 

以下、映画と小説の感想、今日はたくさん書いてます。

 

CAPTAIN PHILLIPS (2013)
監督 ポール・グリーングラス

あらすじ
2009年4月、ソマリア海域を航海中のコンテナ船、マークス・アラバマ号を海賊が襲撃。武器を所持していた4人の海賊に、武装していなかったアラバマ号はあっという間に占拠されてしまう。船長のリチャード・フィリップス(トム・ハンクス)は、20人の乗組員を自由にしてもらう代わりに自らが海賊の人質となり……。

素晴らしい!!!!
これは文句なしに素晴らしい映画だった。

トム・ハンクスは当然のことながら、ソマリア海賊の船長ムセを演じたバーカッド・アブディの演技もすごかった…。
英国アカデミー賞、助演男優賞獲得もうなづける。
しかも、実際にソマリア出身の俳優さんなんだとか。

実話ベースなのでど派手な展開はなく、結構淡々としてる。
けど…それにしてもすごかったな~、実話なら十分派手だよw

まず、自分が今まで抱いていた「海賊」のイメージがふっとんだ。
あんなボロい小さな船で、ガリガリのソマリア人漁師たちが将軍の命令で、荒れた海へ命懸けの略奪行為に出掛ける。
ジャック・スパロウとか、フック船長とか、ワンピースだとかそんな世界とは無縁の、物悲しい暗い男たちの生存手段。
たかが4~5人の海賊たちに何をビビるか、と最初は思うんだけど、そこは銃の恐ろしさを知らない日本人ならでなのか、一度船に乗り込まれたらさあ大変。

ソマリア人たちの目が血走ってて手足出ないっすわ。
言葉が通じない恐怖。ムセは英語が話せるんだけど、それがまた悲しくてね…だってあの故郷の様子を見る限り英語話せるってすごいことだよ、生まれる環境、国が違えばものすごい秀才として一般社会で活躍していたかもしれない。

ほんの一度だけリチャードに見せた「アメリカへの憧れ」、これも実話ならではの抑えた表現で思わず見逃してしまいそうなささいなものなんだけど、苦しいなあ。

アフリカへの救援物資を届けることを目的としたコンテナ船の乗組員たちの「一般ピープル感」と、(反撃はなかなか見事ではあったけど)SEALs隊員たちの迫力ある動きの対比がまた面白い。

しかしまあ…改めてトム・ハンクスの凄さを感じました、マジですごいわ。
何を考えてるかわからんこの表情、でもすっげーリアル、まるで本物のドキュメンタリーを観てるかのような演技。
ずっとずっと抑えていた感情が爆発するラスト、ここだけでも観る価値のある映画だと思う。

何やら、よりリアルな演技のために、海賊たちとの初対面シーンは「本当にはじめまして」だったらしい。

あまりにも素晴らしい映画だったので色々ネットで調べてたらこんな興味深いサイト記事を見つけました→マスコミに載らない海外記事

事実は小説より(映画より)奇なり。

 

VANISHING ON 7TH STREET (2010)
邦題 リセット
監督 ブラッド・アンダーソン

あらすじ
ある晩、映写技師のポール(ジョン・レグイザモ)が突然の停電に驚いて映写室から飛び出すと、そこは一瞬のうちに無人になっていた。同じころ、理学療法士のローズマリー(タンディ・ニュートン)は、抜け殻のような白衣の山が残された病院を助けを求めてさまよい歩く。その翌日、テレビレポーターのルーク(ヘイデン・クリステンセン)が部屋で目を覚ますと恋人の姿はなく、外には無人の街が広がっていた。

冒頭10分と掛からずに「これはつまらんな…」と気づいてしまい、後はひたすら映画終了まで耐えましたよ…。

原題のVANISHING ON 7TH STREETは旧約聖書の七つの大罪と絡んでくるみたいで、、ネタバレしちゃうけど最後に生存した2人の少年少女、これはアダムとイヴってことなのかな?助かった場所も教会だし。

それにしても理解不能な場面が多く、そして退屈。
不気味といえば不気味なんだけどあくびが出るくらい怖くない。
登場人物もなんだか薄味…。

ジョン・レグイザモを出演させといてあの使い方はどうなの?もったいねえ…。
これ、日本人は聖書に疎いから、とかじゃなくて、多分海外でもヒットしてない、うん、絶対してない。

まあホラー映画として作ってはいないと思うんだけど、何もかもが中途半端。
人が消えていくことへの悲しみや、なんとなく納得させられてしまう、強い理念とか意志とか感じられない。
宗教絡ませれば説得力が出るなんて甘いでしょ。
まだ隕石衝突で地球滅亡、リセット、の方が納得できるわ。

 

あらすじ
二人の少女を惨殺した殺人鬼の命に十億の値がついた。いつ、どこで、誰が襲ってくるか予測のつかない中、福岡から東京までの移送を命じられた五人の警察官。命を懸けて「人間の屑」の楯となることにどんな意味があるのか?警察官としての任務、人としての正義。その狭間で男たちは別々の道を歩き出す。

なんか聞いたことあるタイトルだな…と手に取ったら、、著者紹介読んでビックリ!!!!

『ビー・バップ・ハイスクール』の作者、木内一裕さんの小説デビュー作だって。
実家に漫画が数冊あって読んでましたよw
最高の下ネタヤンキー漫画、コマ割りの工夫とか一切見られない、なんとも開き直った名作?ですw
『工業高校バレーボーイズ』って漫画も描いてる方で、こっちはさらに下品で面白いw
バスの運転手が主人公なんだけど、昔よく読んでたな~、バイト先の先輩が買ってきてて(雑誌を)

その方がまさかこんな糞真面目な小説書かれていたとは…Amazon調べたら何冊も出してるのね…。

さて、ストーリーですが、やはり漫画家ならではの発想!!
孫を殺された大物爺さんが「犯人殺してくれたら10億円払う」つって新聞広告バーン!!
こんなことまかり通るの?ってことがいくつも起こるんだけど、細かい説明なしに、「金ばらまけばなんとかなる」という答えで全て片づけちゃってるし。
それが、少女惨殺事件のリアルさとうまく融合してなくて違和感、でも力技で強引に書ききった感じが、これまた天晴。

あと、子どもを持たぬまま、若い妻に先立たれた主人公の妙な冷静さがとてもリアル。
屑としても類を見ないくらい屑野郎の犯人を、いくら職務とはいえ、あの状況で守ろうとするその姿勢、
10億円欲しさに犯人の命を狙う一般人が、包丁片手に小さな女の子を人質にとった際も「ここは他の者に任せて…」とあっさり立ち去ろうとするとか、この冷静さは子を持たない男のそれですな。
同じ警察関係者でも、少女の遺体を実際に観た者、自分も子を持つ者、職務だけを全うしようとする者、とそれぞれの立場、それぞれの想いが伝わって痛々しい。

だけど、何が正しい行動か、なんて一概に言えないくらい「誰が敵か味方かわからない」状況なのでそれもやむなし…か。
この辺の「日本中が敵、日本中から犯人を守り抜く」緊迫感と緊張感、もっと欲しかったな…。

唯一こりゃないだろ…と思ったのはタクシー運転手の女性。
あの結末はないわ~
横山秀夫ならこの題材でどう料理するかなあ…薬丸岳だったら…とか想像するのもまた楽しい。

日記に感想書くのに、表紙画像拾おうかとネット検索してたら…何よ何よ、映画化されてたんだ。
うおおおおお、ふざけんなよ!!!!!
お気に入りの白石刑事役を何故松島奈々子が?あれは30そこそこの男性警官なのに!!!
奴が精神崩壊する様が涙を誘う、最高のシーンなのに、なんで女なんだよ…
だから嫌いなんだよ、小説のドラマ化映画化。

 

あらすじ
緑豊かなニュータウンを騒然とさせた九歳の少女の殺人事件。犯人として補導されたのは、ぼくの十三歳の弟だった!崩壊する家族、変質する地域社会、沈黙を守る学校…。殺人者のこころの深部と真実を求めて、十四歳の兄は調査を始める。

※かなりボロクソに感想書いてます

少年探偵ミステリーものか、少年法について問う社会派小説か、友情青春学園ものか、はっきりしないお話。
一番腑に落ちないのは、犯人の母親が事件後に離婚して、残された兄妹と共にわざわざ元の町にアパート借りた上に、今までと同じ学校に通わせるってところ。
まずありえない、考えられない。その必然性を感じない。息子の犯した罪に対してあまりにも考えが軽すぎる。

弟がなぜあんな凶悪な犯行に手を染めたのか…それを生まれ育った町や学校で調べたいと思ったのは、あくまでも主人公の心の中の動きであって、それを知らない母親が、わざわざ愛する夫と離婚してまで苗字を変えたにもかかわらず住んでた町に残るって決断、、、しないだろ!!!!

身内が犯人だとわかることで生活は一変する、加害者家族のそれをきちんと伝えたいのだとしたらあまりにもお粗末で、リアリティがない。
じゃあこれは「少年の青春ミステリー」なのか、と考えると確かにそっちの方がしっくりくる。
でもちょっと暗いかな。
題材が重いのに、妙に漫画チックで、完全に小学校高学年~中学3年生くらいが読む内容だと思う。
被害者の少女は、殺されてから乳首を噛み千切られていた、というわけわからん描写を入れてあるんだけど、そんなくだらない描写入れなきゃ全年齢向けにもなりそうなのに、そこだけ妙にリアルな感じ出しちゃって。

うーん、思わせぶりな表紙といい、タイトルといい。

ネタバレしますが

簡単に言うと、超優等生(容姿端麗、才色兼備)の少年の洗脳されてたわけです、主人公の弟くんは。
で、その容姿端麗くんの父親は警察のお偉いさん、最後は2時間サスペンスでおなじみ、決闘前にベラベラ洗いざらい喋りまくって、山奥なのにいつの間に父ちゃん追いかけて来てて、「全部聞いたぞ、父さんと一緒に自首しよう」とか言って最後は拳銃で息子殺して自分も死ぬ……。
あろうことか、死ぬ前に「このことは誰にも言わないでほしい」とかほざいて、主人公は底抜けに優しい奴だからそれを承諾。
なぜか新聞記者もそれで納得。
まてまて、勝手にここだけで解決すんな…。

失われた女児の命に対して、周りの動きや思いがどうにもこうにも軽い。
Amazonレビューでは絶賛の嵐だったようだけど全然わからん。

唯一救いなのは、主人公の少年、犯人(弟くん)、そして主人公の友人たち。
彼ら彼女らの心の成長と、持ち前の優しさが物語からたくさん感じることができたこと。
このメンバーならもっと明るい探偵ものにすべきだと思う。
テーマとキャラが合ってない。もったいない…。

 

あらすじ
顔には刺青、左手は義手。
菊池正弘が営む居酒屋「菊屋」に、古い友人で
刑務所を出所したばかりの片桐達夫が現れた。
かつてこの店で傷害事件を起こしてから、
自身の妻とも離婚し、32年もの間に何度も犯罪に手を染めてきた男だ。
獣のような雰囲気は人を怯えさせ、
刺青に隠された表情からは本心が全くつかめない――。
何故、彼は罪を重ねるのか?

大好きな薬丸岳作品、未読タイトルは残すところ『ガーディアン』と『Aではない君と』の2冊となってしまった…。

今回も、優しさがほとばしる薬丸節炸裂だったんだけど、なんかね、珍しく章ごとに視点を変えて書かれているので、それぞれのキャストから観た同じ状況の説明がややしつこく感じられて、そのせいか、いつもより丁寧に人物の感情を描いてはいない気がした。
そうはいっても1章ごとに少しずつ紐解かれていくそれぞれの事情、思いは読んでいてひきつけられるものがあって、途中途中涙をこらえちゃったけど。

少し非現実的な部分はあれど、読み進めていくうちに、「こんな男がいてもいい、いるのかも……」そんな熱い気持ちで片桐を見守り応援する自分がいて、序盤は寺島進を劣化させたようなチンケな初老の男ってイメージだったのに、後半はもう幸せの黄色いハンカチの高倉健さんに変わっててw最後はもう「片桐いいいいいいいい!!!!!」と叫びたくなった。
薬丸ファンとしては賛否両論の作品かもしれないけど、やっぱり優しい、本当に優しいお話だな…と。

 

あらすじ
12歳の夏、父が殺された。父の友人だった人が、なぜ殺人を犯したのか。どうして、周りは「父親を殺されたかわいそうな子」としか自分を見ないのか。事件以降の9年間、殺人の理由がわからぬ不安と、犯罪被害者として受ける好奇の視線から逃れるため、心を閉ざして生きてきた主人公、杉本敦也。2人の女性との恋愛を通じて大人へと成長し、あらためて過去の出来事を見つめなおした敦也が得た真実とは…。

真保裕一作品、『奇跡の人』『密告』と、今回三冊目ですが、今のところ共通しているのは主人公の人となりかな。

非常に特徴のない、魅力的とはいえない性格の、どこにでもいる男、、、。

著者の性格と直接的につなげるのも失礼なんだけど、相当女々しい方なのか?と思ってしまう。

相変わらずクドい。
己の女々しさ、器の狭さ、その内面を吐露する表現が多すぎる。
物語上必要不可欠なのはわかる、でも、それでも多くて辟易しちゃう。

今回はその女々しさ故に二人の女性を傷つけ、様々なトラブルにも遭った中、故郷へ帰り久々に幼なじみと再会するわけだけど、、さすがにこの場面は泣いてしまった。
この友人がまたいい味出しててね、、。
ただねぇ、、なぜあの人が主人公の父親を殺したのか、そこらへんは予想を上回ることもなく、ああ、そんなものか人間は、でおさまる範疇だった。

それでいい、、、確かにそういう物語ではあるけどさ、物足りなさもあるよなぁ。
結局主人公の成長物語だったわけで、それ以上でもそれ以下でもなく、無難な感じで終わったかなぁ。
しかしこの地味なお話をうまく書いてるなぁと感心しちゃいました。
本当に地味。
ラストはちょいとご都合主義っぽく、また、ヒントは隠されてはいるんだろうけど、読者の想像にお任せパターン?ってのはいかがなものか。
わざわざ読み返してまでその答えを探しには行かなかったけど、おそらく二人目の彼女だろうな。
娘がいるのはフェイクのような気がする。
「あれ?流産したって言って姿を消したけど…本当は?」って読者に勘違いさせたいのかな。
いや、、もうどっちでもいいわ…。

しっかし、、密告、でも感じたイライラ感、今回も結構きましたね。
記者の登場場面ってこんなのばっかりだね、当たり前か。
この小説ではいい関係に落ち着いてるけど。
とはいえ、面白くない、とは決して言えない作品でもありました。

 

あらすじ
「ある女性を守って欲しいのです」三年前に医大を辞めた「僕」に、脳神経学の教授が切り出した、突然の頼み。「女性といってもその子はまだ十四歳…。私が殺した女性の娘さんです」二つの波長が共鳴するときに生まれる、その静かな物語。

ムムムッ!!!これはまさかのファンタジー?いや、そうとも言えないか。同調能力って案外誰もが持ってるような…。

でも逆に中途半端で、ファンタジーにしたいけど照れがあるのか、守りに入りたかったのか、なんともいえない消化不良なお話になっちゃってるかも。

ネタバレします↓

 

 

 

主人公の青年は、自分の父親が母親を殺す(夫が妻を)という悲しい家族の過去を持っていて、それが普通の殺人とは違い、父と青年が持つ特殊な能力のせいだった…。

まあこんな話を色々グダグダ書いてる。

『チェーンポイズン』『WILL』『MOMENT』、そして本作で4冊目になる本多作品、、、正直今回は残念でした。「死生観」を描くのはうまいけど「愛」が絡むと途端に安っぽくなる…ような。

この作品は主に「家族愛」なんだけど、そっちもいまいち。かといって主人公と彼女?との関係も特に感じるものはなく。いかんせん、この方の作品の売りとも言える爽やかさがアダになってる気がしてね…。

鏡に映る男は俺自身で、俺と共鳴し…みたいなね、使い古された手法がなんだかこっ恥ずかしくて、その台詞の一つ一つも深みがなく…。『チェーンポイズン』のような舞台設定があればもっと良い作品になったと思う。

今回の主人公の雰囲気……村上春樹とか読んだことないけどこんな感じなのかな…。今度読んでみます。

 

話変わって

 

 

前々から読みたい本があって、ウラジーミル・ソローキンの『ロマン』。

プレミアついちゃって馬鹿高い…。
これ、噂には聞いていて実際読んだことがないんだけど、死ぬまでに絶対読みたい一冊なんです。本屋にも古本屋にも図書館にもない…。
Amazon中古でも2~3万の値がついてて、上下巻の単行本で合計900頁にも及ぶらしい。
ああ、読みたい、怖いけど読みたい、読みたい。