映画感想やイラストなど

「edge」の発送も一段落しまして、在庫もまだあるのでこのままBOOTHの方で注文可の状態にしておきます。
次の本と、そろそろ来年発行される飯ビーアンソロ寄稿作品に本腰を入れねば…。

クリスマスのにぎわいが終わるとあっという間にお正月、毎年早いな~

コメントくださった方本当に感謝です。次回お返事したためます!

 

現代パロディーが猛烈に苦手なんだけど、何故かクリスマスイラストだけは描いてしまう。多分コスプレが簡単だからだな…。

以下、映画感想など。

邦題 スリービルボード(2017)
監督 マーティン・マクドナー

あらすじ
ミズーリ州の田舎町。7か月ほど前に娘を殺されたミルドレッド(フランシス・マクドーマンド)は、犯人を逮捕できない警察に苛立ち、警察を批判する3枚の広告看板を設置する。彼女は、警察署長(ウディ・ハレルソン)を尊敬する彼の部下や町の人々に脅されても、決して屈しなかった。やがて事態は思わぬ方へ動き始め……。

これは……すごいっっ!
アカデミー賞他部門に渡って獲得したのも納得。
むしろ作品賞がシェイプ・オブ・ウォーターだったことが納得いかないくらいだ。多分これは多くの人が感じたんじゃなかろうか!

まず、この監督の他作品にIN BRUGES(ヒットマンズ・レクイエム)(2008)があると知ってびっくりした。
これおもしろかったんだけどすごく不思議な映画で結構印象深い。小人症でものすごく小柄な俳優、ピーター・ディンクレイジ、こっちの映画にも出てた気がするんだけど…違ったかな。

はあ……なかなかの余韻ですよ…。
思っていたイメージとは少し違ったお話で、良い意味で期待を裏切られました。

もっと悪徳警官vs娘を失くした強い母親 の構図だと思ってた。
でも、そんな小さい話にまとまらず、なんだろう……自分が好きな映画のひとつ『クラッシュ』のような視点で観る映画だった。かといって暗いかといったらそんなこともなく、適度にブラックユーモアも含まれていてクスっと笑わせてもくれる。

観る前は当然主役の母親に感情移入しまくるんだろう、と思ってたけど実際そんなことにはならず、もう全員の気持ちがわかるし全員にムカつくしw
ああ、そうか…人間て単純でいて複雑で、その小さな体の中にいくつもの色を持っていて、それは時にめまぐるしく変わっていくもので…とか色々考え感じながら観ることができた。

ただ、これ1回で全てを理解するのってなかなか難しくて、続けて2回、少し早送りしながら見落としがないかどうか確認したんだけどたくさんあった。
まあ単に自分が適当に見過ぎてるのかもしれないけど。

冒頭、ミルドレッドが看板屋(社長はレッドという青年)に依頼するんだけど、このシーンを削って、いきなり警官が3枚の看板を発見して驚く場面から始めた方がよかったんじゃ?と思っちゃったんだけど、最後まで観てわかった。
冒頭のやりとりは、看板屋レッドの銭ゲバで狡猾で商売上手な感じを描くための大事な場面なんだと…。
これがあるから後々自分の暴行を加えた警官とのやりとりの中で、意外なレッドの優しさやおおらかさが引き立つんだなあ。

登場人物全てが一見ちぐはぐに見える行動をとる。こいつは一体どんな奴なんだ…終始そんな気持ちにさせられるんだけど、その時その時の彼ら彼女らの行動は実に正直で真っ直ぐで救いようがなくて…。
でも、なぜか画面から目が離せない。言葉にならない説得力を感じさせる映画だ。

上の画像に地図が模ってあるように、本作品はミズーリ州が舞台となってる。
そこが多分ものすごく重要で、夢の国アメリカの中でまさに見捨てられた土地…という雰囲気が映画全体から漂っている。
ミズーリ州といえば白人警官による丸腰黒人青年の射殺等々度々社会問題になった事件もあったと記憶してるんだけど、その根強い差別意識の裏には、自分たち白人もまたアメリカの富裕層などから蔑まれているという劣等感の強さが隠れていると思う、そういった鬱屈したものを全身で表現しているのが悪徳?警官役のディクソン(サム・ロックウェル)だ。

はっきりとした描写はないんだけど、彼は父親がいない母子家庭だ。
マザコンのようでいて、実際は母親が息子に依存している、まあ共依存の関係だと思う。
度々ミルドレッドから「それはママの入れ知恵かい?」などとからかわれている通り、30代の男性という役柄でありながらまるで坊や扱いだ。
そして「女はいない」という母親への台詞通り恋人らしき人間は出てこない、デートの様子もない。
ゲイかもしれない……という不安と戦っているように見える。
それは署長からの遺書に書かれている「ゲイを差別する奴がいたらぶん殴れ」的な文面からも想像できる。
ただ、ふりきれたゲイならこれほどコンプレックスを抱かないように思えるので、古い概念にとらわれた土地柄と、自分自身父親への慕情が署長への慕情へと変化していったのか、
それとも単なるゲイなのか…そこらへんをにおわせているさじ加減が巧みだな~と。

で、その地域性についての話に戻ると、そういった地域の割に映画の中で黒人が目立った差別を受けるシーンはほとんどない。
新所長が黒人であることに署内の人間がやや反発する程度だ。
だからこれはミズーリ州=白人による差別の風潮 という図式で作られた映画じゃあない。

このイギリス出身の監督はまるでアメリカの暗部を身を持って知っているように描いてるけど、でも、どこかとても上品に感じるのはやはり第三者目線だからなんだろうか。
暴力的で短絡的で、でもどこか愛らしい登場人物たち。

映画のトレーラーでさんざん観てきたミルドレッドの暴力シーン。でも実際彼女は行き当たりばったりと思わせておいて実に思慮深い行動もとっている。
そりゃまあ…深夜警察署に火炎瓶投げて建物ガンガン燃やすっていうのはどうかと思うけど、何度も何度も電話をかけて人がいないことを確認する、そのときの彼女はどこか不安げでオドオドしていて…。

息子の同級生のキンタマを蹴り飛ばしたかと思えば暴力元亭主に詰め寄らせ怯えてみたり、かと思いきやその亭主の手を握り辛さをわかちあったり。
そして、もう1人の主人公ともいえる警官のディクソン。サム・ロックウェルの演技は圧巻で、憎たらしくてたまらないのに、気づいたら彼のために涙を流してる自分がいた。

他にも書きたいことが溢れてるけどどうもうまくまとまらない。
でもこの私はこの映画を観てよかったと思う。

自分のことしか見えていなかったミルドレッドとディクソンが、署長の遺書、火事の火傷、オレンジジュース、様々な経験を経て、少しずつ少しずつ…周りの人間を巻き込みながら少しずつ少しずつ、自分自身をかえりみるようになり、やがて色々なことを「赦す」ことを覚える。
監督が一番言いたかったことは、ミルドレッドの元旦那の若い恋人がアホみたいな顔して伝えてくれた。
賛否両論のラスト、自分は最高のラストだと思う。
何の刺激もない平坦なドライブを終えて、2人は一体どんな晴れやかな顔を見せてくれるんだろう…それを我々の想像力にゆだねた監督、アッパレです!!


邦題 キュア ~禁断の隔離病棟~
(2017)147分 R15+
監督 ゴア・ヴァービンスキー

この監督誰やねんっ!と思ったら、あの『タイムマシン』をサイモン・ウェルズと合作してたり、アメリカ版リング(貞子ー!)とか撮った人みたい。
なんかパッとしない…。
本作品もね、もう言ってみれば劣化版『シャッター・アイランド』ですよ。
主演のデイン・デハーンもどことなくディカプリオ顔(要は童顔でちょっと頭からぐっと下に押しつぶしたような…それでいてどこか可愛いというかなんというか)だし。

どうやらこの方は出演作に恵まれていないようだ。

さてさて、こちらのストーリーは…というと…。
ロックハート青年が、重役たちから、スイスの高級療養所にて休養中のちょいとイカれちまった社長をNYに連れ戻せ!という任務を与えられる。
ものすごい高台にある元々は貴族?の城だった療養所、もう行く前からものものしい…。
映画全体の映像はとても美しい、そこは本当に評価されるべきだと思う、が、肝心のお話が途中からものすごく残念な方向に!

この映画147分という長さ……もうね、ロックハートが同じミスばかり繰り返してていい加減にしろよと…。
逃げる、捕まる、痛いことされる、洗脳される、されたふり?目を覚ます?またウロウロ施設内を探って…また捕まる、のループ!!!

むしろここの院長はよくロックハートを殺さなかったな…何考えてんだ一体。
謎だらけでそのネタバレも中途半端、わかったようなわからないような…というモヤモヤが残るし、なんか最後はゴシックホラーのような奇妙な世界観になるし、
もう少し短くまとめて無駄を排除すれば結構良い映画になったと思うんだよなあ…。伏線を張り過ぎて回収しきれてないし謎が多けりゃいいってわけじゃないのに、意味不明なことが多すぎる…。

いざ院長の正体が判明したときも、他の謎に気を取られ過ぎてて「あ…そうなの、へえ…」としか感じなかったwそしてキモイ、キモイんだよ院長…。不老不死とかそういうのもすっごく安っぽい。急に漫画みたいな設定出されても!

あと、これはものすごく重要なんだけど、「ウナギ」がすっごく出てくる。
幻覚描写のための道具としてだったり、その他もろもろ。
でも日本人にとってはウナギって高級料理のひとつだから「おおお、こんなに大量のウナギが!!!!!」ってちょっとワクワクしちゃったんだよ…。
まあ自分はウナギは苦手なのであまり食べないんだけど、それでもやっぱね、ちょとした贅沢品だしねえ…。
ウナギ怖い!ってアメリカ人の感覚なのかな。よくわからん。

ほんと、映像も美しい、発想も悪くない、でもすごーく、もったいない、そんな映画だった。

 


邦題 エアポート2015
監督 エミール・エドウィン・スミス

 

タイトルから漂うB級の香り……。
2015があるなら他の年代の映画もあるんだろうな、と夫がつぶやいていたのがツボだった。

簡単に説明するとこの映画、アメリカの旅客機が突然の嵐に遭遇、ブラックホールのような空間に飲み込まれて第二次世界大戦の時代へタイムスリーーーップ!!!!します。

これだけ聞くとちょーおもしろそうだけどそんなことはなかったw
どう考えても低予算でつくられたこの映画、今が1940年だということが判明する大事な場面を、見えるんだか見えないんだかわからない地上の爆撃の様子で表現。
いや…飛行機の窓ってすっげー小さいじゃん…歴史マニアの客はすぐ気づいたけどものすごく不自然w
普通は今この現代でなんらかの異変があった??と思うだろう…いきなり「第二次大戦中だ!!!!」ってさ…。
なんか無線で助けを乞おうとしたら当時のイギリス軍の若い兵士と繋がって結構呑気に会話するんだけど、その兵士もすごくて自分の目で何ひとつ見てない、ただ椅子に座って通信してる状態でタイムスリップしてきたという説明に理解を示しちゃうし…。

その上官みたいなおっさんもなんかすっごく軽くて威厳もない、というか緊迫感がまったくないw
んで、CAのお姉ちゃんはやけにピッチピチのプラウスで胸元をこれでもかというくらい開襟しているためまるで娼婦のよう。
何故かお婆ちゃん?と思うくらい老けたCAもいたりして、まったくこの人は必要ない、もっと若くて綺麗な役者を使えなかったのか。

駄目な映画の特徴として、まず人の心の動きにまったく説得力がないことが挙げられると思う。
この作品はまさにその悪い例で、乗客がこの有りえない状況をすぐ把握してしまう。
普通は信じないだろう…1940年だなんて。
偶然乗り合わせていたアメリカ兵も期待させるわりにほぼ役に立たない。
やけに偉そうな乗客の男を一人ボコったくらいか。

でも、お話の発想は悪くないし、機長たちの演技は無駄に熱いため何故かだんだん「がんばれ!」と思ったので不快になる類のB級映画ではなかった…ってことかなw
イギリス軍の若い兄ちゃんもとても可愛らしいし。
観る前はてっきり地上に降りて第二次大戦中のドイツを堪能できるとばかり思っていた。

最後は当然現代へ戻れるんだけど、皆めっちゃ爽やかに笑ってて、ちょっとまて!2人くらい死んでないか??
あと副操縦士撃たれてるはずだけど痛みはどこへ消えた?

そして……超スペクタクル映画かのような素晴らしいラストwww
お爺さん……この演出はめっちゃ一流の映画にしか許されない手法なんだぜ、でもいいさ、あんたの笑顔は最高だ!!

とりあえず旅客機が戦闘機に囲まれ攻撃されまくっても回避しちゃうという奇跡をとくとご覧あれ!!!

 



(2007)R15+
監督ジェームズ・ワン

邦題がすごい!!!

あらすじ
家族と幸せな生活を送るニック(ケヴィン・ベーコン)はある日ギャングの襲撃に遭い、目の前で長男(スチュアート・ラファティ)を殺されてしまう。犯人は捕まるもあまりに身勝手な殺害理由、そして納得のいく刑罰を下せないことを知った彼は、法廷で裁くことを断念する。怒りを抑えられない彼は自らの手で復讐(ふくしゅう)を果たすが、その相手はギャングのボスのたった一人の弟だった……。

なんという無茶苦茶映画だ!!!!
と思ったら原作の小説もあるのね…。

超エリートサラリーマンが殺された家族の復讐に挑む、そこまではいいがどこにでもいる優しいパパが突然プロの殺し屋のような腕前を見せるから違和感がすごい!!!
それと警察が無能、お前らさあ……。
と文句を書いたものの…ケビン・ベーコンの存在感がすごすぎてそんなダメダメ要素はどこへやら、やられた…やられたよおお、最後はウルっときちゃった…。
だってケビンさん本当にいい表情するんだもん。

自分が初めてケビン・ベーコンを観たのはおそらく「インビジブル」の透明人間役だったかな。
次に印象深いのは「激流」の…やはり悪役。
あとは「ワイドシングス」『ミスティックリバー」など。

もう完全にカリスマ悪役スターと思っているのでこの作品でも「なんて無駄に迫力のある顔の子煩悩エリートサラリーマンだろう…」って。
復讐するため覚悟を決めてからの彼はすごかった。
「これ、これだよ、ケビン・ベーコンはこれ!!!!」と胸が熱くなった。
しかし悲しい…本当に悲しいお話。
あまりに理不尽な理由で殺された息子、そして復讐の連鎖。
子を持つ親としてものすごく感情移入してしまう。

ただ…アメリカ文化だからしょうがないと思うけど、長男が殺されて打ちひしがれるのはわかるけど、夫婦で寄り添って慰め合って肩寄せ合って眠る割りに次男くんへのフォローが少なすぎるんだよ。
まあそんな心の余裕はないんだろけど、それでもなんだかなあ。

一つ腑に落ちないのが、「父親」という立場の2人のおっさんが対峙するシーン。
あのギャングのボス兼クソガキの親父はどういう考えなの結局??
息子の命はどうでもいい…とまでは思っていないし、あれかな、とりあえず金持ってるから銃器は売るけどどうせ殺しなんてうまくできねえ素人だろ?とタカをくくってた?
だけど銃の説明書まで渡してるし、背後から撃つこともできるのいやらないし、でも息子に忠告?しに行くし…ギャングのおっさんの行動に一貫性がない。
まあクズ人間の行動なんてそんなもんなんだろうけど。
誰よりも子を想う主人公と、親子揃ってそうしようもないクズの犯人たち。
同じ「息子」という立場であってこうも明暗が分かれるというここらへんの描写がなんともいえない。

さんざんやりあって瀕死の状態の主人公と、復讐対象のギャングくん。
2人が隣り合わせて座っているシーン。
なんとも言えない…、ギャングくんが放つ「お前も俺達と同じ」という言葉の裏にはきっと
「だけど息子を想う気持ちだけは俺達の世界と違う」っていう本音もあるんじゃかろうか…いや、それは自分の願望かな。

自分にもこんな風に想ってくれる父親がいたら、自分も裕福な家の子どもだったら…この結末にはなっていなかった、そんな後悔をしてほしい、ぜひとも。
色々おかしい映画ではあったけどケビン・ベーコンが見せるラストの表情で心持っていかれました、さすが…ケビン・ベーコン!!!



(2002)
監督 M・ナイト・シャマラン

あらすじ
信仰に篤い牧師のグラハム・ヘスは、最愛の妻を突然の事故で亡くしてしまう。その時、ある霊的な現象が起きたことでグラハムは神に対して疑念を抱き、やがて牧師を辞める。農夫となったグラハムは、弟と2人の子供たちと共に平穏な日々を送っていた。だが、ある日、農場のトウモロコシ畑に巨大なミステリー・サークルが出現して以来、奇怪な出来事が続発する。幼い娘には不吉な予知能力が宿り、農場の周囲に次々と不幸が起き始める。グラハムはミステリー・サークルがなぜ自分の農場に現われたのか、それが意味するものは何なのか調べようとするが……。

自分はこの監督をM・ナイト・シャラマンで覚えてしまったためなかなか「シャマラン」と言えない…。

前々から観たいな~と思っていた作品です。
さすがシャマラン、こっちが戸惑っているのはお構いなしにお話は進んでいく。
妙なドキドキ感と静寂で何度も寝落ちしそうに……、なんだろうこの不思議な感覚は!
結構な低予算で作られた映画っぽいんだけど、それでもこんな緊張感出せるのはすごい…。

典型的なマッチョ軍隊顔のホアキン・フェニックスはただただ宇宙人にバットを振るためだけに出演w
主役グラハム・ヘスえお演じるメル・ギブソン、やる気あるんだかないんだかわからんし。
びっくりしたのは息子役の少年、「アレ?マコーレー・カルキンに似てる…」って気になってて調べたら実際に弟なんだね、知らなかった。
ロリー・カルキン君、大人びた演技してます。
そして妹役のアビゲイル・ブレスリン……うおお…可愛い…愛くるしい、ギューって抱きしめたくなる。

で、皆静かな役柄なので落ち着いて観れるしウトウトしちゃうリズムだし…突然大音響で驚かすようなホラーでもなく、決して悪くはないんだけど、宗教色が濃すぎるのがなあ。

しかも「あれ??」って思ったら監督が出演してるしw結構ガッツリ。
タランティーノもたまにやるけど、どうもこれやられると「ちょっと!!!監督ううう」って緊張感が削がれるんだよw

結局この映画は何を伝えたかったのか…というと、人の運命、使命、そういったものや神の存在等々、信じるか信じないか?
幸福は偶然のラッキー、それとも必然であり奇跡の力か…っていうでっかい問題を「宇宙人の脅威」というサインを使うことで神を否定した主人公や我々に問いかけている、そんな面倒くさいメッセージがこめられている。
面倒くさいんだけど、まあ物は考えようだよねってことでなんとなくハッピーエンドって感じで終わるんだけど、グラハムが弟に無茶させるところとか、宇宙人に考えを読まれないよう、
子どもたちと一緒に頭にアルミホイール巻きつけるメリルが可愛くてクスっとくる。

「終末を迎える」描写をこれほどまで静かに描く人は珍しい。
本当に一癖も二癖もある監督ですね…。
「シックスセンス」も静かな映画だったけど、どちらかというとこの「サイン」は「ハプニング」の雰囲気に近いのでかなり賛否が分かれるんじゃないかな。


(2012)

南太平洋の上空で小型旅客機が遭難、流されたのは…無人島!?生存者は出張中のサラリーマンと取引先の御曹司、成田離婚直前の新婚夫婦、ボケかけたお祖父ちゃんと孫の少年、そして身元不明な外国人。てんでバラバラな10人に共通しているのはただひとつ、「生きたい」という気持ちだけ。絶対絶命の中にこそ湧き上がる、人間のガッツとユーモアが漲った、サバイバル小説の大傑作。<Amazonより引用>

一体いつになったら無人島に着くんだろう、とちょっと嫌になってしまった。
とにかくダラダラと長い。
でもそこそこおもしろい、不思議な小説だ。

無人島で漂流、っていう割と失敗しようがないテーマなんだけど刺激がなさすぎて飽きてしまう。
登場人物は結構特徴がはっきりしていて覚えやすく、そこは助かる。
でも10人だからこそ、のごちゃついた感じがなくて物足りない。

とりあえず部長の言動一つ一つが腹立たしく、いつまでこの部長のくだりを読まされなきゃいけないんだろう…今更目新しさも何もない部長の我儘とか誰得??
なんというか、映画よりも連続ドラマのノリ?なのかな。

ラスト1頁で突然終わりを迎えるんだけど、これは謎めいたラスト、とかそういったかっこいいものではなくて、おそらく著者が飽きたんじゃないか?
そうとしか思えない。これ以上話を引き延ばす要素もなく、登場人物のあれやこれやも放り投げて終わらせちゃえー、って感じだろう。

ギャグならギャグでとことん馬鹿馬鹿しく、逆に毒を持たせるならもっとエグい演出を、どっちつかずなんだよなあ…。

小型旅客機の機長は好きだ。