Answer(父と息子…リメイク)もろ見せ

データ整理してて、やっぱり本完成させてからオタ活動やめてもいいのかな…とちょっと思ったりして…。
仕上げてなかったページを頑張って仕上げてみた。(見落としあるかもだけど)
Answer(父と息子の一年間のリメイク本)に同時収録する予定の短編の一場面。

 

読書感想

『運転者』 喜多川泰

 

あらすじ
中年にして歩合制の保険営業に転職し、二年目の修一。
しかし、なかなか思うように成果が上がらない日々を過ごしていた。

ある日、唐突な担当顧客の大量解約を受け、
いよいよ金銭的にも精神的にも窮地に追いやられてしまう。

妻が楽しみにしていた海外旅行計画はキャンセルするしかない。
娘は不登校に陥っているうえに、今後の学費の工面も難しくなるだろう。
さらに長い間帰れていない実家で一人暮らしをしている、
母からの電話が心にのしかかる。

「……なんで俺ばっかりこんな目に合うんだよ」

思わず独り言を言ったそのとき、
ふと目の前に、タクシーが近づいてくるのに修一は気がつく。

それは乗客の「運」を「転」ずるという摩訶不思議なタクシーで――?

あらすじ読めば大体わかるっていう本。
『夢をかなえるゾウ』が好きな人はハマると思う。(あれ一作目だけprime無料だから読んだけどおもしろかった)
なかなか良いことが書かれていて、結構感動的なんだけど、なんでここまで評価が高いんだ?というのが最初の印象。
おそらくAmazon Kindle Unlimited が今無料期間なのでそもそも読む人が多い、ってのがあるんだろうな。
自分もその中の一人。
基本、本は紙で読む人間なのでKindle Unlimitedは登録してないんだけどせっかくの無料期間ってことで、
そこまで興味なくて買う程でもないかな、って本にも手が出せるってのはなかなか便利。

どうして自分は今こんな生活を送ってるんだろう…そう思ってる人の心に、この本の言葉たちが響くのかどうか、結局性格なんだよね。
この本で素直になるほど、と感心できる人は余裕があるんじゃないだうか。
少なくとも、今日にでも死のうとか通り魔にでもなって周りを道ずれにしようとマジで思ってる人の心まで動かせる本ではないと思う。
だからこそ、そうなる前にこういう本やその言葉に触れる必要があるんだろうな。

思うに…これ読んで全てをすんなり受け入れてしまう人は割とカルト宗教にハマってしまうタイプなんじゃなかろうか…。

いや、イイこと書いてあるしたくさんの気づきがあるんだけどね。

『同志少女よ敵を撃て』逢坂冬馬

 

あらすじと解説
独ソ戦が激化する1942年、モスクワ近郊の農村に暮らす少女セラフィマの日常は、突如として奪われた。急襲したドイツ軍によって、母親のエカチェリーナほか村人たちが惨殺されたのだ。自らも射殺される寸前、セラフィマは赤軍の女性兵士イリーナに救われる。「戦いたいか、死にたいか」――そう問われた彼女は、イリーナが教官を務める訓練学校で一流の狙撃兵になることを決意する。母を撃ったドイツ人狙撃手と、母の遺体を焼き払ったイリーナに復讐するために。同じ境遇で家族を喪い、戦うことを選んだ女性狙撃兵たちとともに訓練を重ねたセラフィマは、やがて独ソ戦の決定的な転換点となるスターリングラードの前線へと向かう。おびただしい死の果てに、彼女が目にした“真の敵"とは?

【2022年本屋大賞受賞! 】
キノベス! 2022 第1位、2022年本屋大賞ノミネート、第166回直木賞候補作、第9回高校生直木賞候補作
テレビ、ラジオ、新聞、雑誌で続々紹介!
史上初、選考委員全員が5点満点をつけた、第11回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作

まず最初に言いたい。
「機会があればぜひとも読んでください!」

いやぁ…読み終わって一か月くらい経つけどいまだに余韻が残ってる。
前評判の高さに、書店での平積みの凄さに、ハードルが上がりまくってたのもあり、この期待を超えるような小説ではないだろうな…とずっと思ってた。

毎年このミス(このミステリーがすごい)を買って読んでるので有名どころのタイトルは前々から知ってる状態なんだけど、
これもあらすじ読んで、なんか小難しそうだし暗そうだし……となかなか手が出なかった。
本当に読んでよかった。
自分の読書人生、40を過ぎて新境地開拓って感じw

主人公の少女セラフィマが暮らす小さな小さな村の温かい情景から、ドイツ軍によるあっけない村人惨殺、そして生き残ったセラフィマは女兵士イリーナに狙撃兵候補生になることを条件に拾われるんだが……。

同じ境遇の訓練兵の少女たちの個性が輝いてて、なによりも覚えやすい。
独ソ戦の描写も、グロさはないがなかなかの迫力で、しかも日本人作家が書くからこうなったのかはわからないが、とても理解しやすかった。
この時代の世界史そこまで頭に入ってないんだけどサクサク読める。

「現代人の価値観によるフェミニズムを盛り込んでおり不自然である」という批判もチラホラ見られたが、それは違うんじゃないかな…というのが私の感想で、
いつの時代も女の苦しみは大なり小なり共通したものであって、100年前の女性であっても今と変わらぬ不満はあったはず。
私はむしろ、戦争を生き抜いた女たちの葛藤や怒りや憐憫がすごくリアルに表現されていたと思う。
これがデビュー作、まだ30代の男性作家だというんだから、私の中で次回作への期待がすごいことになってる。

少女たちがこれほどの活躍をする話をここまでリアルに感じることができる、その表現力はまったくもって天晴。
セラフィマの強さは一歩間違うとバトル漫画のような安っぽさに変わってしまいそうなんだけど、そこが見事に、戦争の悲惨さを台無しにしない匙加減でかっこよく描いてる。
10代の少女がこれほどかっこいい戦争小説を読めたことに感謝したい。

そして、この小説が素晴らしいのはラスト…ラストなんだよ…。
このラストだから余韻が消えないんだろうな。

散々緊迫した戦争を見せられたのに、読み終わって感じたことは「大好きな女友達とキスがしたい」。
そんな小説だった。

『ローズ・コード』ケイト・クイン/加藤 洋子(翻訳)

 

あらすじ
第二次世界大戦下、社交界の令嬢オスラは国に召喚され、ブレッチリー・パークに辿り着く。
そこには秘密裏にドイツの暗号解読に挑む政府暗号学校があった。
オスラは下町育ちのマブ、パズルの名手ベスと知り合い友情を育むが、ある事件から3人に悲劇が訪れ――
7年後、オスラは差出人不明の暗号文を受け取る。
それはかつて自分を裏切った友人が助けを求める手紙で……。

同志少女……で感動して女性が活躍する戦争ものが読みたい!という気持ちが高まったので、今年の7月に発売したこちらの本、
今月中ごろ書店に走って購入。
7月発売なのに新刊文庫コーナーに置いてあった。2か月くらい新刊コーナーに置くことは多々ありますよ、なんて店員さんが教えてくれた。

オスラ、マブ、ベスという全くタイプの違う3人の女たちが暗号解読に苦悩する傍ら、結婚に憧れたり、仕事に満足出来なかったり、無能男たちの女性差別に怒ったり…と、
戦争が絡まなければ普通のOLのお話のようw
戦場の描写はないが戦争による悲劇もちゃんと表現されてると思う。
でも、一応ミステリ小説なので「裏切者は誰だ」みたいなベタ展開が繰り広げられもする。
ただ、割とまったり進行なのでたまに眠くなったかなw

実家で毒親と暮らすベスが、オスラとマブの強引な誘いで暗号学校に入り仕事をするのだが、
このベスの変化がなかなか怖いと言うか、とてもリアル…。
彼女はとある理由で不遇な状況に陥るんだけど、深い亀裂が入り戦後バラバラになった3人がまた集結する展開は結構ムネアツだったかな。
760ページの大作だけど全体的にアッサリしてるんだよね、なんだろう…舞台がずっと暗号学校の地道で気が狂いそうな暗号解読なのでやっぱり地味すぎるのかもしれないw

ただ、こういう戦い方もあるんだな、という気づきがある面白い小説ではあった。

少しネタバレになるかもだけど、とある男がなんとも狡賢く、と同時になるほど…と思わせるような心理戦を(密かに)繰り広げていたのがわかったときはちょっとした伏線回収落乙!の気分だったw

『テスカトリポカ』佐藤 究

 

あらすじ
メキシコのカルテルに君臨した麻薬密売人のバルミロ・カサソラは、対立組織との抗争の果てにメキシコから逃走し、潜伏先のジャカルタで日本人の臓器ブローカーと出会った。二人は新たな臓器ビジネスを実現させるため日本へと向かう。川崎に生まれ育った天涯孤独の少年・土方コシモはバルミロと出会い、その才能を見出され、知らぬ間に彼らの犯罪に巻きこまれていく――。海を越えて交錯する運命の背後に、滅亡した王国〈アステカ〉の恐るべき神の影がちらつく。人間は暴力から逃れられるのか。心臓密売人の恐怖がやってくる。誰も見たことのない、圧倒的な悪夢と祝祭が、幕を開ける。

第34回山本周五郎賞受賞作品。

これも相当書店で平積み期間が長かったな~、という話題作。
同志少女…はいまだに平積みしてるからすごいなw

メキシコのカルテルという、聞いただけでおしっこチビりそうな恐怖。
まぁ結論から言うと、少年コシモの母親が日本に逃れてくるまでのストーリーの方が面白かったという…ちょっと期待していたより衝撃や面白みはなかったかな。
あらすじをちゃんと調べずに買ったもんだから、てっきりコシモはバスケ選手になるとばかり思ってたw
全然違う!
多分、世間一般でいう「グロイ小説」に分類されるんじゃないかなこれ。
私はそれ系は結構読むので「うわぁ…」という不快感はなかった。
ただ、「日本に来てまでよくわかんねーカルト儀式やってんじゃねえよ」というイラつきはあったw
なんだろう…壮大なようでスケールが小さいというか…。
舞台が日本になった途端、バルミロたちがやってることがやけにチンケに見えてしまう。
これ以上極悪な行いが世の中にあるのか?と思うくらい残虐非道なことしてるんだけど………。
何がいけないのか…多分、日本の警察やら公安(外事警察とか)の動きとかが一切なく、そういう人物も全く出てこないところなんじゃないかなと。
こういうのって対極の立場にある主要人物って絶対必要で、なんか結局、壊滅しても脅威の不滅精神で巻き返しをはかるバルミロが、
なんだかよくわかんない凶悪犯罪者の日本人を子分にし教育して、そいつらがゴチャゴチャやってる……みたいな。
仲間割れもハラハラ感がないし、なによりも登場人物誰一人共感もできないし応援したくなるようなキャラの魅力もない。
テーマは面白いし、なんかそれっぽい雰囲気はまとってるんだけど、何かが足りない。
面白い部分もあるにはあるんだけどね…。

あと、このエグイ儀式(生贄捧げる系の)の描写読んでて思い出したのは、メル・ギブソン監督の『アポカリプト』。
こっちの映画もかなりグロイけど面白いので機会があったらぜひぜひ。

 

 

オリジナル漫画のらくがき