ひたすら映画と読書の感想文

映画感想
AMERICAN ASSASSIN
-2017 / -R15+
監督 マイケル・クエスタ

あらすじ
テロで恋人が亡くなり、テロリストへの復讐(ふくしゅう)を決意したミッチ・ラップ(ディラン・オブライエン)は、
CIAに潜在能力を買われ、スカウトされる。ミッチが元ネイビー・シールズの鬼教官スタン・ハーリー(マイケル・キートン)のもとで訓練を積む中、
ロシアからプルトニウムが流出する。CIAは核兵器によるテロをたくらむテロリストの思惑を砕くため、世界を舞台にしたミッションをミッチに課し……。
原作はスパイ小説。
主演のディラン・オブライエンは『メイズ・ランナー』シリーズで主演だった人なんだけど、最後まで気づかなかった。
雰囲気が全然違う!!!
『メイズ・ランナー』シリーズ1は2014年公開、2が2015、そして三作目がこの『アメリカン・アサシン』の一年後2018年。
なんか『アメリカン・アサシン』のディラン・オブライエンの方がイケてる。
しかし、相変わらず表情に乏しい役者さんだなあ…って、目で語る俳優なのだろうか。
さて、本作の見どころはズバリ、冒頭の無差別テロシーン。
かなりリアルです。人がゴミのように殺されていく。
主人公のミッチが超美人でスタイル抜群の恋人にビーチでプロポーズ、幸せの絶頂から突然地獄へ落とされるというおきまりの演出から始まるんだけど、ベタベタな展開にもかかわらず
ものすごく効果的でした。主人公が闇墜ちする動機となるには十分すぎるこの悲劇、とてもいいと思う。
そして時は18ヶ月後……
復讐心に燃えるミッチはボクシングジム?らしきところでジム仲間?を、なかば八つ当たりのような感じでボコボコにしたり、
射撃訓練に燃えたりと、やさぐれた日々を送っている。しかも、ど素人の癖にアッラーの神に心酔した米国人を見事に演じ、テロ組織のボスとの面会に成功、この時点で私は「嘘やん…」と呆れ気味。
んで、CIAはそんなミッチをずーっと監視していたので、今が好機とばかりに襲撃に成功、あっけなくミッチの復讐相手は殺される。
「マジ?マジで?じっくりいたぶって殺したかったのに、俺の手で殺したかったのにーーーー!!!」と、ミッチは既に死んでるボスを滅多刺し。
で、CIAの女に「あんた見込みありそう」つってスカウトされて、ミッチは鬼教官スタンの元で訓練合宿スタート。
言うほど鬼じゃないんだよねこれがw
あとはまあ核兵器強奪やらなんやら、色々阻止するために動くんだけど、中東組織がロシアからプルトニウム買って悪さする……と思いきや、その間を取り持った?元CIAの男が、かつて自分を裏切った(救ってくれなかった)米国を恨んで祖国へ核ミサイルを撃ち込むのが目的でした……というオチ。こいつは潜入捜査のときに命令違反をしたことで身の危険を招いた結果、師匠だったスタン教官に見捨てられたことを
めっちゃ恨んでんだと。アメリカを狙った男はまさにアメリカに忠義を尽くしたアメリカ人でした……っていう今更なんの目新しさもないストーリーだった……。
なんだかんだごちゃごちゃあって、最後は船の上でミッチvs男の対決。
ミッチは祖国を救ったということだが……。
なんかねえ、最初から復讐に燃える男に見えなかったんだよ…彼の目には全然絶望の色が見えなかった。
あと、大学院中退の普通のあんちゃんなのにスキルがありすぎる。CIAの猛者たちにも出来ないようなことをやってみたり、その理由もよくわからなくて「こいつはすごいんだぞ」とごり押しされても納得できない。
まるで「今大人気のお笑い芸人!!!!」つって糞つまらない芸人がテレビ出まくってるみたいな違和感。
アメリカ・中東・ロシア・CIAという、使い古された、あまりにも定番中の定番設定、よほどの工夫がない限りい印象に残る映画にはならない良い例だった。ただ、一見あっさりしつつも容赦ない殺人描写はなかなか…だったかな?
THE MECHANIC
-2011 / R15+
監督 サイモン・ウェスト

あらすじ
完ぺきな仕事ぶりから“メカニック”と呼ばれる殺し屋のアーサー・ビショップ(ジェイソン・ステイサム)に、友人であり恩人の暗殺命令が下る。とまどいつつも任務を遂行したアーサーは、自分が殺した標的の息子スティーブ(ベン・フォスター)と知り合う。やがてアーサーはスティーブを助手に迎え、殺しのテクニックをたたき込んでいくが……。
1972年にチャールズ・ブロンソンが主演を務めた同名映画が基になっている作品。
完全リメイクってわけでもないらしい。
タイトルからしててっきり、J・ステイサムがすごい改造車を乗り回して敵を殺しまくるとばかり……。
いや~~、良い意味で裏切られました、おもしろいですこれ!!!
凄腕の殺し屋っていう設定はありきたりなんだけど、殺しのテクニックってのが結構おもしろいし、アーサーの親友の息子スティーブの不快なキャラがいい味出してる。
それもラストで納得。
ネタバレ↓
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結局改心せずアーサーを殺しにかかるスティーブ、当然返り討ちに遭うんだけど。
映画の中でなかば相棒のような存在になっていく姿を視聴者に見せつつの……あっけない結末。
いくらこの流れが必然とはいえ、普通は二人のコンビネーションを見ていた人なら「ええ、なんでこんな結末に……」ってガッカリすると思うんですよ。
でも、スティーブがあんな最期を迎えても実際は「まあ、そうなるよねざまあw」って思えてしまったのは、彼を演じたのがベン・フォスターだったからwこの一言に尽きる。
見事に糞野郎を演じてくれて、まあ最後まで全然魅力を感じない。うまい配役だな~と妙に感心してしまったw
主人公の相棒として動いていたのにここまで親近感湧かずにいられる、そんなうっとおしい男を演じてくれたベン・フォスター天晴です。
MECHANIC: RESURRECTION
-2016
監督 デニス・ガンゼル

あらすじ
暗殺の仕事から離れ、平穏な日々を送るビショップ(ジェイソン・ステイサム)のもとに、かつてビショップを裏切り姿を消したままでいた兄弟子クレインから暗殺の依頼が入る。相手にしないつもりだったが、人質を取られて引き受けざるを得ない事態になる。フィクサーとして世界を裏で操る3人の武器商人がターゲットとして提示され、事故死に見せかける暗殺計画を進めるビショップ。しかし、クレインが計画遂行後に自分を殺そうとたくらんでいるのを知る。
前作から5年……『メカニック』の続編です。
ミシェル・ヨーである必要が…?と思うような役で彼女は出てます。まあミシェルさん好きなので観れただけでも嬉しい。
ジェシカ・アルバがめっちゃ可愛い、ステイサムとは親子に見えなくもない。
なにせ前作と間を置かずぶっ続けで鑑賞したもんだから、5年の歳月の残酷さを目の当たりにしちまった…。
ステイサムが微妙に老いててね……首回りとか痩せちゃってるんだよね、少し寂しい。やっぱトランス・ポーターの彼が一番イケてるな~。
さて、この続編……なんか全然雰囲気が違う映画になってる、と思ってたら監督が変わってた。どうりで……。
ミッション・インポッシブルのような軽快さと、任務遂行の手法がおもしろい!!!
その代わり前作のようなちょい残酷な感じはなくなった。
ちょっとヒロイン役の登場に必然性を感じなかったんだけど、ジェシカ・アルバで映画に花を添えたかったんだろうな…という考えはわかるw
笑っちゃうのは、3人殺せば女を返すという嘘っぽい約束をとりあえず聞き入れ、仕方なくクレインの依頼を遂行していくんだけど……
2件目の殺しを完了してからクレインの船に侵入して大暴れする。そして見つかってクレインに怒られて再び3件目の任務を果たしに旅立つ。
この流れがおかしくてw そりゃ3人目を殺し、無事任務完了しても女も自分も殺されるだろうからなんとかして今のうちに…っていうのはわかるんだけど、
それにしてもさんざん暴れて「はい、そこまで~~」ってまた追い返される姿は笑っちゃうわw
で、3件目の殺人ターゲットは、トミー・リー・ジョーンズですよw
ああ、これは死なないでしょ、むしろ手を組む流れだ、ヤッター!!!!というこちらの予想通り、ご隠居様オーラ全開のトミーさんは死んだふりしてくれて
ビショップは(前作から名前を変えてる)女を救いクレインを殺してめでたしめでたし。
あまりにも王道すぎてとても前作を超えられなかったけど、屋上プール(とんでもない造りのプール)で泳ぐ男を殺すシーンはおもしろかったからそこだけは評価したいw
小説感想
黒い森
折原一(著) -2010 祥伝社文庫

あらすじ
「ミステリー・ツアーの目的地で待っている」駆け落ちする二人の恋人に、同じ内容のメールが届いた。行き先は、樹海の奥、作家が家族を惨殺したと伝えられる山荘。ツアー客が一人、また一人と樹海の闇に消えてゆく中、恋人が待つ目的地へ辿り着けるのか? そして山荘の固く閉ざされた一室で待つものとは……。
樹里と留美夫(じゅりとろみお)、2人の主人公は互いに名家の一人娘一人息子、両家の親に大反対され無理やり引き裂かれた2人。
ぐおおおううう、なんだこの古臭い設定は!!!!!2010年の作品?時代設定が古いならまだしも、現代なんだよね舞台が。
物語の中でも「ロミオとジュリエットみたいで名前まで…出来過ぎてる2人」みたいな文面があったけど……
自虐すりゃなんでも許されると思っちゃいかんよwなんだよ留美夫って……もう読んでて恥ずかしすぎて困るわw
ご大層に袋綴じ仕様になっていて、樹里視点・留美夫視点で似たような物語を2回読まされるハメに……。連続殺人犯の正体も拍子抜けだし。
「生存者」を読んだら本を上下逆さにして背表紙側から「殺人者」を読めと……指示あるwその後さらに袋綴じ「206号室」を読まされる!おおいっ!おもしろいけどさあ…。
色々と腑に落ちない場面がありすぎて何から挙げたらいいのか迷うとこなんだけど……まず、富士の樹海は歩きにくい、と言いつつ先頭を歩くツアーガイドの姿をあっという間に見失って皆てんでバラバラになるってのもわざとらしい。ていうか、そもそも樹里視点・留美夫がこの「集団自殺ツアー」なるものに行く動機がおかしい。いくらなんでもアホすぎる。そしてメンバーがとても自殺志願者には見えない。もう少しくらい悲壮感があってもいいと思う。
死ぬほど思いつめた人たちのとる行動とは思えない。死にたいのか生きたいのかわからない。それがリアルと言えばリアルなのかもしれないけど、ツアーに申し込み、代金を払い、集合場所まで出向いて、さらに樹海を歩いて……そんな元気あるのかね死にたい人達に。しかもミステリーツアーなので何処へ連れて行かれるかわからない、(=死に場所がわからな)旅行なわけで……ワクワクしちゃってる皆さんは完全に普通の旅行者だわ。
樹里がログハウス?に辿りつくと部屋ごとに色んな死体があるんだけど、それも袋綴じを開けてみると、単に先に到着した瑠美夫が参加したツアーメンバーで、その中の一人が瑠美夫に想いを寄せていた学生時代の顔見知りっていう……(瑠美夫は覚えてない)しかもガリガリの若い女性だって。
何人もの男を殺せるか???瑠美夫と樹里を殺す前の予行練習兼、目的を隠す効果にもなる大量殺人。なんか色々無理がありすぎてなあ……。斧持ってるからってひ弱なオンナがいきなり最強キャラにならんでしょ。
長ったらしい樹海の恐怖演出もクドい!!!!!!!一体自分は何でこんな小説を読んでしまったのか……苦笑い。
誘拐ラプソディー
荻原浩(著) -2004 / 双葉文庫

あらすじ
伊達秀吉は、金ない家ない女いない、あるのは借金と前科だけのダメ人間。金持ちのガキ・伝助との出会いを「人生一発逆転のチャンス?」とばかりに張り切ったものの、誘拐に成功はなし。警察はおろか、ヤクザやチャイニーズマフィアにまで追われる羽目に。しかも伝助との間に友情まで芽生えてしまう―。
この方の著書を読むのは初めて。
とってもほっこりしたお話で、赤川次郎あたりが書きそうな内容で……憎めないヤクザとか魅力のない主人公とか。
調べたら映画化?されてるらしくて、高橋克典が主人公の秀吉役なんだけど違うだろ~~~~w
ひょろりとして切れ長の目、さして特徴のない顔、っていう設定なのにさ~。
克典さんギラギラしてるじゃんw
秀吉と伝助に友情が芽生えていくところとかなかなか楽しく読めたんだけど、心の奥底には「ああ…そりゃ泣き叫んで親元に帰りたがる子は邪魔だし犯人刺激するからすぐ殺されるよな…」とうすら寒くなってしまい、
いまいち主人公に感情移入できなかった。たまたま殺すチャンスがなかっただけなんだよねこいつは。行動が短絡的で向こう見ずで、いつ殺人を犯してもおかしくない人間なので、
「俺にはできない」と言われても、たまたま聞き分けの良い伝助だったから…っていうだけで、感動の涙という単純な感想にはならなかったなあ。
幼くして亡くなった弟のくだりはホロっときてしまったけど。
ただ、誘拐犯と少年の友情物語と謳っておきながら、思ったよりあざといお涙頂戴描写ではなく、途中香港ヤクザなんかも絡んできて結構冒険活劇風のお話になってるところは好感が持てる。
警察が介入してく過程もおもしろい。
まあ、この物語の中で一番いい奴だな…と思ったのは秀吉を許し続けた斉藤社長でしょうw地味ながら一番の救いになってると思う。
