色塗りと映画感想と雑記
色塗り結構楽しくなってきたかも
自動色彩機能と自分塗りを組み合わせるといい感じになる。

以下、映画感想
GET OUT(2017)
監督 ジョーダン・ピール

あらすじ
ニューヨークで写真家として活動している黒人のクリス(ダニエル・カルーヤ)は、週末に恋人の白人女性ローズ(アリソン・ウィリアムズ)の実家に招かれる。
歓待を受けるが、黒人の使用人がいることに違和感を覚え、さらに庭を走り去る管理人や窓に映った自分を凝視する家政婦に驚かされる。
翌日、パーティーに出席した彼は白人ばかりの中で一人の黒人を見つける。古風な格好をした彼を撮影すると、相手は鼻血を出しながら、すさまじい勢いでクリスに詰め寄り……。
2018年アカデミー賞脚本賞を受賞した作品、ずっと観たかったんだよこれ!
日本でも公開されたらしいんだけど全然人気なかったんだってw
ジョーダン・ピール初監督作品です。
もう序盤から不穏、不穏、不穏な空気が充満してる…wでもBGMはとてもいい。
これは吹き替えじゃなく字幕で観ることをお勧めしたい。
あと、2回は観た方がよさそう…細かい伏線とか、日本人にはピンとこない外国人特有のあれこれ(黒人・白人の表現や口調ニュアンスの違い等)を
じっくり観察すると映画がより面白くなるだろうから。
それにしても……すっげー怖いw前半の思わせぶりが半端ない。白人一家の正体がわかるまでは……だけど。
正体がわかってからはまた別の怖さがある。
白人による黒人差別を描いてるようで描いていないようで……やっぱり描いてるっていう結構高度な脚本。一見マッドサイエンティストと暇な白人ブルジョア夫婦たちの変態愛好会?の映画なんだけど、よく考えられた細かい表現がちょいちょい出てくる。(ちなみに日本人も出てきた、やめてほしい(^_^;))
この映画で最も印象深いアイテムが催眠術に使われるカップとスプーン。これカップの中身は紅茶。
そして地下室に監禁拘束された時、椅子のアームからむしり取った「綿」(これそこまで耳栓の役目果たす?って疑問はさておき)。
紅茶や綿花ってかつて黒人が白人の奴隷とされていた時代に、強制的に作らされてた物…だったと思う。
知っていればゾっとしてしまうアイテムの使い方、半端ないこだわり。(もしかして関係ないかも…いや、関係あると思う)ちゃんと観ないと見逃すところ…危ない危ない。伏線がたくさんあるっていう前評判があったのでがっつり目を凝らしましたw
これは伏線回収すげー!ってほどのことはないけど、冒頭で黒人が襲われた場面の伏線を、クリスが車で脱出するとき発見した鉄仮面、この1場面できちんと回収してる。
あとは食事中にクリスにヘッドロックかけようとしたローズの弟(格闘技の話で絡んでくる)、ここも冒頭黒人を襲った謎の鉄仮面男の背後からヘッドロック!とつながってる。
っていうかそんな回収なくても普通に観てれば「あ、この一家の仕業か~」っていうのはすぐわかるんだけど、
あまりにローズの実家が気味悪くて視聴者はそちらに気をとられてしまうのかもしれない。
また、ステレオタイプの黒人の喋り方、服装なんかも日本人の自分にはわかりにくいけどあっちではあるあるなんだろうな…。
ちょっとんん?ってなったのは行方不明になっていた黒人アンドリューが老齢の白人婆さんに連れられクリスの前に登場するところ…。
クリスは「あの恰好、あのしゃべり方、おかしいぜ、白人気取ってる」的に嫌悪するんだけど、アンドリューの恰好が「Happy」のPVでのファレル・ウィリアムス(歌手)っぽいなって思って、
これファレル・ウィリアムスdisってる?って笑ってしまったwあとで確認したらそこまで似てなかったw
まあ当然そんな意図はないと思うけど。
あと鹿の使い方もうまかった。台詞としても何度か出てくるんだけど、クリスの存在と重ね合わせて観てしまう、ゾワ~っと寒気が。

この映画、「差別意識などない白人…を気取った人たちが実は黒人への憧れ(自分が持ち得ないものへの欲望)にかられて狂気に走った…と
いう建前なんだけど、そこにはドロドロとした皮肉や究極の差別意識(本人たちに自覚はないのかもしれない)が渦巻いていて、これもまた寒気を覚える。
差別を反対する白人こそがいまだ根強い黒人差別意識を消し去ることができない、そんな現代社会への皮肉と祖国に対する自虐、そして飽くなき欲望に支配された人間の恐ろしさを感じた。
ラスト、自分の首を絞めるクリスを見つめながらローズが放つ「愛してる」の台詞は、作戦でもあり真実でもあるんじゃないかな…。
クリスを…というより「その遺伝子そのもの」を、人を殺めてでも欲しがっているという点では。
だけどこれ、目を背けたくなるけどまごうことなき真実…かもなあ。どんな競技でも黒人の身体能力には驚かされるもんね。
決死の脱出を図るクリスはまさに「野獣」そのものなんだけど、眠れる獅子を起こしてしまったんだね~、ローズたちが。
唯一の味方である友人が車で助けに来てくれるんだけど、ここだけ観ると普通にクリスが白人一家を大量殺戮したようにしか見えない。
実はDVD版では幻?のエンディングが観られるらしい。要はエグイからボツにしたもので、クリスは警察に捕まって殺人犯になりました、おしまい、っていう。
いや、それやるかな~?って思ってたんだよね、最後の殺し合いで。でも迎えに来てくれたの友人だったから「あ~よかった…」とひと安心。
BAD ENDを選択したらしたで、そういうのが好きなファンから根強い支持を受けただろうな~と思うw
でもよかった、そうならなくて。
最後に、本作はジョーダン・ピールの初監督作品で、次回作『Us』も9月に全国公開されるそうな。
めちゃくちゃおもしろそうなんだなこれがまた……。

京アニ事件被害者の実名公表について
マスコミはいつの時代も必要悪というか、良い面も当然あって様々な事件の詳細を伝えることで社会全体に公憤を抱かせ、それによって刑法や世の中を変えてきた歴史もあるので、当然そこから目を逸らしてはいけないと思う。名無しの誰かが殺された、というだけではまったく実感がわかない人がいるのも事実。彼らが報道しないことには政治家の不正だって隠れたままだ。(といっても忖度しまくりで不正があっても公平に報道なんかしちゃいねえけど)
人間には、名前と写真を見て初めて怒り悲しみ、事件を恐れるという心理もある。
川崎の中学生が先輩に殺されたあの事件も、少年の痣だらけの顔や、あどけない笑顔があったからこそあそこまで社会全体に影響を与えたという側面は否定できない。
この「公憤」について考えさせられたのは女子高生コンクリート詰め殺人事件の加害者実名報道にふみきった週刊誌、当時実際に取材に走り回った勝谷さんの意見を聞いたときだった。
ああいう大きな事件をきっかけに厳罰化されてきた事実がある。実際、私が生まれるちょっと前までの刑法はかなり緩い。殺人の刑がこれほど軽いのか……と驚いた記憶がある。
ただし、当然遺族の気持ちに配慮することは忘れてはいけないとは思う。
公益性と遺族への配慮、このバランスはとても難しい。
自分が遺族なら、きっと実名公表を願う。(どういう亡くなり方か…にもよるけど)
だけど、それもタイミングがあって、どうせ公表するなら遺族が真に望む形であるべき。
ましてや、今回のように「やめてくれ」と懇願している遺族の気持ちを無視する権利が誰にあるっていうんだ。
今回の場合京アニの作品と絡め、故人がどんな業績があり、どんな夢を描いていたか、むしろじっくり時間をかけて公表を望んでいる遺族のために特番くらい組めよ、と。
生きてきた証を遺すというなら、うちひしがれる遺族に勝手にカメラを向けるのではなく、きちんと時間をかけて話を聞けよって、そのくらいやらなきゃマスコミの意義ってないでしょ…。
自分がこういう想像をしたとき思うのは、少しでも殺された我が子だったり家族の名前を誰かに覚えていてほしいという願い。悲しいのは忘れられてしまうこと。
飯塚なにがしという老人に妻子を奪われた遺族の方が、可愛い娘さんのホームビデオを公開したように、忘れたい心だったり忘れちゃいけないという状況はひとつの心に同居することがある。
本当に、人の心と言うのは複雑で、「公共の利益」なんつー詭弁だけで片付けられるものではない…と思います。
忘れてはいけないのは、公表を願うことと、心無い取材を受け入れるかどうか、についてははまったくの別問題として捉えなきゃいけないということ。
実名公表=悪、なのではなく、そういった情報を扱うマスコミ関係者のモラルが問われている。
マスコミだけじゃない、むしろ今の時代一般人のモラルも問われなきゃいけない。
公表したことで遺族の元に野次馬に行くのは果たしてマスコミ取材班だけだろうか。
twitterには「どの口がそれを吐くの?」と思うような攻撃的な意見で溢れかえってて心底呆れてしまう。
誰もが自分の意見を発信できる時代、皆何かとっても偉くなったみたいで、自分の言葉が誰かを傷つけているということにあまりにも無自覚。
横山秀夫さん、自分の大好きな作家さんなんだけど、刑事部付の新聞記者だった経歴があるので、小説の中でも
警察と報道局側のとても複雑な取り決めなどがよく書かれている。
この仕組みが今のままである限り、またこういう問題は絶対に出てくる。
だからさあ……結局政治なんだよ、政治家の怠慢なんだよほんとこれ…。
NHKとおんなじ、政治家が変えるべきことを変えないからこうなる。
そして変えるべきことを変えよう、と声を挙げないテレビやマスコミにも問題がある。ぜ~んぶつながってる。
そういうの根本から変えようぜ、って声挙げてるのがN国の立花さんなんだけどな…過激に見えるから理解されないんだよなあ、AbemaTVとかyoutube観るとめちゃくちゃいいこと言ってるのに。
他の国会議員は電通・NHKにあそこまで切り込めないよ、身の危険ありすぎる。既得権益に尻尾ふってりゃ楽に金も手に入るし楽に生きられるのに、すごいわあの人は。
とまあ話がそれてしまったけど…。(ここまで褒めといてN国に投票はしてないという(^^;))
メンタリストDaiGoさんは「記者の名前こそさらしてやれ」という発言を反省しているみたいだけど、結局こんなことしてても変わらないんだよね。
どんな情報も、使い方次第で良い方向にも悪い方向にも進んでいってしまうもの。
だから結局は法を変えていかなきゃならないんだよね…。
「公共の利益」という大義名分を盾に、どこまで許されるべきか。
少年Aが中年Aになり、過去の殺人をネタに本を書いて利益を得たときのように、その行為自体が禁じられていない今法律に問題があると思う。
報道のあり方を変えていかなきゃいけない時代が来てるのになあ…無理だろうなあ…立花さんも多分ひきずり落とされるだろうし。
彼の素敵な書斎が好きでたまにメンタリストDaiGoさんの動画を視聴してるんだけど、今回珍しく感情的な動画をUPしていた。
必死になることって格好悪いよね、なんて風潮の中、あんな風に人の痛みを想像して泣ける彼を本当に優しい人だと感じました。
また、言い過ぎた面をすぐに反省し謝罪できるところも、本当に素敵だなと。
ご遺族の心の傷が時間と共に癒されていくことを心から願います。
