黄昏ベジらくがき/読書感想

読書感想

西の魔女が死んだ (新潮文庫) – 2001/8/1
梨木 香歩 (著)※毒舌注意

 

あらすじ
二度と再び、まいの世界が元に戻ることはなかった。
学校に足が向かなくなった少女が、大好きな祖母から受けた魔女の手ほどき。
何事も自分で決めるのが、魔女修行の肝心かなめで……。
中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、
季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。
西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、
まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。
喜びも希望も、もちろん幸せも……。その後のまいの物語「渡りの一日」併録。

ちょっとね、これの感想はかなり毒舌なので出来ればこの小説が好きな人は読まないでくださいね。

まず、タイトルのセンスは素晴らしい。
これはね、うまいです。コピーライターとかやっても向いてるんじゃないか?この梨木って人は。
で、ここからは結構毒舌っぽくなるんだけど…

この本を読んで

カフェでカプチーノの写真を撮りSNSにUPして、子犬と空の写真も撮りがち(なんか昔有吉が言ってたんだっけこれ?誰だっけ)
で、読書画像をUPするときも何故か食べかけのクロワッサンとティーカップを映りこませる…そういうインスタ女子を見た時のような気持ちに…。
いや、イメージですイメージ、あくまでもイメージ。
可愛いよ、素敵だよ、でも自分の好きな小説ではなかったなぁ。ジャンル分けするなら文学小説…なんだろうなぁ…多分。

なんていうか、きったねぇけど超絶うまい店に食べに行くより味ようわからんけど素敵なBGMに素敵な絵画(無名画家の)が飾ってある
雰囲気のカフェとか行ってる、そんな気分で読んだ。
悪くはない、決して悪い話ではないんだが、婆ちゃんが英国人である必要は?とか
ゲンジの登場場面中途半端だなぁ(トトロのカンタみたいな…)、とか、THE 雰囲気小説の王道だった。
ただ、併録作品『渡りの一日』、これは結構好き、クスっと笑えたし続きが読みたいと思えた。
同級生の男子がトボけてておもしろいし、独特の間があってよかった。

祖母に思い入れがある人は感動するのかな…でもそれなら佐賀のがばいばあちゃんの方が面白そう?(読んだことないけど)
なんで世間からの評価がこんなに高いんだろう、マジわからん。
あ、これ一番大事なことだけど、主人公が好きじゃない、お婆ちゃんが好きになれない、両親に対しても感想はない、
唯一ダークキャラっぽく登場したゲンジもふーん、だし。

「死んだらどうなるの?」はまぁ人間の永遠の疑問、テーマだよね、だけどそれって古典とか読んだ方がマジモードになれる。
だから、軽く悩みたい人、軽く共感したい人にはちょうどいい、誰もかれもが演歌のこぶしに身を委ねたくはないもんね、
軽快なpopsに乗るのは悪い事じゃないし。
まぁ、まとめるならば「小学校高学年向け」だなってことかな。
読書慣れしてる中学生じゃちょっと、物足りないんじゃないか?そうでもないか?
あと、「人に勧めやすい」小説なのは確実。少なくともドン引きされる心配はゼロだから。
この著者から感じる「気取り」、気のせいかもしれないが私との相性は良くないため、梨木作品はおそらくもう買うことはないと思う。

余談

ここは本の感想じゃないです。
何故、今回特に赤文字にしてまで毒舌注意書きをしたのか…。
上記作品がかなりのベストセラーになったこと、女性向けなのでサイト訪問者さんが読んでて気に入ってる可能性がある事から。
じゃあそういう注意書きしないけど結構辛辣な感想書いてる本があるの何故か、それは「この本読んでる人あんまりおらんやろ…」
という単純な理由。
永瀬隼介、戸梶圭太、真保祐一(このあたりは怪しい)なんか女の人あまり読まないもんね多分…。
貴志祐介作品なんかでも昔『硝子のハンマー』を結構小馬鹿にしちゃったんだけど、あの方の本は他が傑作揃いだからいじれた、というのも大きい。「なんでこんなすげぇ話書いてる人がこんな変なの書いたんだよwwww」みたいな、愛あるいじりだからね。

本屋であった本当に心温まる物語   2012/11/16
川上 徹也 (著), 須山 奈津希 (イラスト)

 

本屋さんでは日々、たくさんの出会いと奇跡が起きているのです――。
あなたの1冊を探しにでかけてみませんか?
全国15000軒もの本屋さんで、日々生まれている意外と知られていない心温まる物語を紹介。
ストーリーブランディング 川上徹也による「人、情報が集まる『モテる書店』のつくり方」も収載!

本屋さんにまつわる28の物語。
一章が短いのですぐ読めます。そしてあっさりしてる。温かい、本当に毒がない。
なんだか読書を重ねていくとこういった本の大切さがやっとわかってきた気がする。
善意、善意、善意、まさに善意まみれ、善意と優しさに包まれたお話ばかり。
こういう本を読んで心を清めたいときってあるよね…。
震災に絡めたお話もあり、ホロっときます。人の優しさや、人から差し出された手には命のパワーが宿っている、
そんな気がする。やはり、一人では生きていけないんだよね、人間って。弱くて強い、そんな生き物だ。

この本、出てくる書店名や作家名は全てイニシャルで記されているんだけど、どうしても気になったstory18「街から書店が消えた!」のS書店。
舞台は北海道の留萌市。
市内に四店舗あった書店が次々となくなり、ついに書店ゼロの街となってしまったところから始まる。
住民から要請を受けた行政のおかげで春先だけの臨時販売会が開催されることに。
とはいえ、春が終わるとその書店は撤退してしまう。
なんとか臨時ではない書店をこの街に、と奮い立った主婦たちが力を合わせ署名活動など行い、めでたくS書店が出店を決めた…という話。
……なんだけど、今もきちんと利益が出てこの書店は撤退することなく続いているんだろうか、と私は気になったもんでw
ネットで調べてみたくなった。
2012年7月に出店。
そこから現在まで9年の歳月を経て……街に書店は残っているのか!
ってことで「留萌市 書店」で検索。
あった、あったぜ~~~!!本当に市内に一店舗だけ!!

その名も三省堂書店 留萌ブックセンター

国語辞典でお馴染み三省堂っすね?
まさにS書店じゃん!!いやぁ~、なんかすごく嬉しくなったw
よかったー、あったんだ、まだあったんだね、街の人達は今もここでたくさんの本を買ってるってことだ。
いい話だ。
他にもたくさん語りたいけど、とりあえず28のStory、全てが優しくて寝る前にお勧めの一冊です。

本で床は抜けるのか   2015/3/5
西牟田 靖 (著)

 

WEBマガジン「マガジン航」で連載開始するや驚異的なアクセス数を獲得、
読書家の間で大きな話題を呼んだ連載『本で床は抜けるのか』が単行本に!
「大量の蔵書をどう処分するか」という問題に直面した作家が、同じ問題をかかえた著名人をたずね、
それぞれの具体的な対処法を紹介するノンフィクションです。

1 本で床が埋まる
2 床が抜けてしまった人たちを探しにいく
3 本で埋め尽くされた書斎をどうするか
4 地震が起こると本は凶器になってしまうのか
5 持ち主を亡くした本はどこへ行くのか
6 自炊をめぐる逡巡
7 マンガの「館」を訪ねる[前編]
8 マンガの「館」を訪ねる[後編]
9 本を書くたびに増殖する資料の本をどうするか
10 電子化された本棚を訪ねて
11 なぜ人は書庫を作ってまで本を持ちたがるのか
12 床が抜けそうにない「自分だけの部屋」

最後にあとがき。
こういった構成になってます。
タイトルからすると「床の強度」「本の重量」に着目しつつ、いかにして頑丈な建物を建てるか、みたいなそういう内容の本っぽいけど微妙に違うかな…。
私としては、予想していたよりかなり面白かった。
特に切なくて余韻が残っているのは「5 持ち主を亡くした本はどこへ行くのか」で紹介された作家・翻訳家の田中真知氏の亡くなった父親の話が強く印象に残っている。
そして、思わず涙がこぼれた。
ゴミ屋敷で孤独に亡くなるアルコール中毒の父、そんな絶望をまとった話でさえも、
数え切れぬ程の蔵書に埋もれるように息絶えたという一つの要素が加わる事で
なんとも切なく、そして少し哲学的とすら感じさせてしまうんだから、これは本が奏でる魔法ってやつかもしれない。

他にも「6 自炊をめぐる逡巡」、これは一時期問題となっていた「作家、出版社に無断で行われる本の電子化」の話。
今でこそ当たり前になった公式での電子書籍販売。よく考えてみるとつい最近のことなんだよね…。
転売して儲けるためではない、という建前があるとはいえ難しい問題。とても貴重な裏側を見た気分。
全体的にコアで地味な内容ながら、本好きとしては買って良かった!と思える一冊。
本をコレクター趣味として見ている人にとってはものすごく興味深いエピソードだらけだと思う。
ちなみに、「読書好き」と「本好き」にはやっぱり違いがあるのではないかと最近考えることが増えた。
本当の読書好きは電子書籍でもガンガン読めるんじゃないかな…。
私は本を持った時の紙の手触りがたまらない。
そして新品の匂い、誰かに愛された後の匂い
読み始める時のワクワク、ページをめくるときの高揚感、読了時の達成感、
しばらく続く余韻、高さも厚みも不揃いに並んだ背表紙たちを眺めている時の興奮
おまけに、積み上げた時の不安定感
本って最高だなぁ…、というマニアなので、読書好き<本好き の傾向が強めだと自覚しつつある。

小説の技法   (岩波文庫)– 2016/5/18
ミラン・クンデラ (著), 西永 良成 (翻訳)

 

解説
セルバンテス、カフカ、プルーストなど、誰もが知っている名著名作の作者たちとその作品に言及しながら、
「小説とは何か」「小説はどうあるべきか」を論じるクンデラ独自の小説論。
2011年刊行の改訂版を底本とした新訳決定版。
存命の、世界で最も著名な作家の一人、クンデラ(1929― )による知的刺激に満ちた文学入門。

半年ぶり?くらいに図書館に寄って思わず借りてきてしまったが……。
難解すぎる、そして独特でちょっと辛口w
最低でもまずはクンデラの代表作『存在の耐えられない軽さ』『冗談』『不滅』を読んでおかないと話についていけない。
twitterの読書アカウントのお仲間が教えてくれたが『存在の耐えられない軽さ』も結構辛口小説ですwとのこと。
そうか、読むのが楽しみだ。
それにしても岩波文庫は本当に難解。

ウイグル人に何が起きているのか 民族迫害の起源と現在(PHP新書)
2019/6/19 福島 香織 (著)

 

ウィグル問題についての本を昨日紹介しましたが、自分が清水ともみさんを知ったのは昨年。
でもこの問題はもっと前から気になっていて、多分他の誰かの本を読んだのがきっかけだった気がする。
で、見覚えがあるのがまずこちら、福島さんの著書。
何の機会があって読んだのか覚えていない。基本時事問題や政治問題はBlogに書かないようにしてきたので、
これの感想文も載せていない。
でも、もっと前なんだよな、これとは別の本で知ったんだが、何という本かどうしても思い出せない。
なので、とりあえず思い出せたこちらの本だけ紹介しておきます。

こういうのって「名も無い誰かの証言」だけで信じるものではない、と思っているので
おそらくきちんとした取材と確かなソースをもとに書かれた本だっだと思う。
図書館だろうなぁ……何て本だったかな…。
実は父がドイツとチベット文化を何故か好きな人で、特にチベット関連の本が家にあったのを覚えている。
その影響かな、うーん、多分今まで読んできた本で思い出せないものたくさんあるんだろうな。
読書ノートとかずーっとつけてくればよかったと後悔。