ミスティック・リバーどえらい映画だ

クリント・イーストウッド監督作品は今まで『グラン・トリノ』
『チェンジリング』、そして今回は3作目になります。

『インビクタス~負けざる者たち』はWOWOW放送時にブルーレイに録画してあってまだ観ていない。

『硫黄島からの手紙』とかその辺は戦争映画なのでどうしても
避けちゃうんだよな…しんどくなりそうで。
『ミリオンダラーベイビー』も相当な後味の悪さだと聞くのでいまだ
観ていない。

さて、今回『ミスティックリバー』観終わって第一声が…
マジで????(゚o゚)!!!!!でしたw
そりゃそうだわな…、スタンドバイミー再びじゃねえよおい!!!!

 

あらすじ
ジミー、デイブ、ショーンの3人の少年たちが路上で遊んでいると、
警官を装った誘拐犯が現れデイブだけを連れ去り、監禁し陵辱する。
それから25年後、ジミー(ショーン・ペン)の愛娘が殺害され、
刑事となっショーン(ケヴィン・ベーコン)が捜査にあたり……。
※デイブ役はティム・ロビンス

 

いや~、すごいです、すごい映画だこれ。
後味悪いけどおもしろいから困る…。
余計なBGMとか過剰な演出がなく、淡々と丁寧に流れる映像、演出、
一流の役者さんの一流の演技、すごい魅せるんだな~これがまた。

まずティム・ロビンス、ちょうど数日前に『ショーシャンクの空に』を
観たので、今回の役どころの悲惨さもさることながら、容姿の変貌も
1994年から2003年と、流れる年月の残酷さがあいまって、すっごく悲しい。

でもこういう役やらせるとすっごいですねこの方は。

そして、ケビン・ベーコンですよwww
好きなんだなあ、このオオカミ顔っつーのかな悪い顔だよねw

私の中でケビン・ベーコンといえば
『激流』(超名作です)
『インビジブル』(透明人間になって殺しまくるw)
おまけで『ワイルドシングス』(これは主演んじゃないけど印象的だったw)
って感じかな~。
なので刑事役で今回まともに働いてて新鮮だった。
こういう役もいいな~。

お次はショーン・ペン
彼の存在は『Uターン』という理不尽極まりないw映画で知った。
その後『I am Sam』で知的障害のある男性を演じていて、
この映画は結構ヒットしていた印象なんだけど、
ショーン・ペンとダスティン・ホフマンって、ちょっと顔似てね?
というもともと私が勝手に抱いていた印象のせいか、
トム・クルーズとダスティンが兄弟役で共演した『レインマン』の
二番煎じっぽい……と思ってしまった。
あれもイケてる弟と知的障害者の兄…というお話だったので。

『Uターン』はすごかった、あれ以上苛々しながら観た映画は
今のところないかもw
ジェニファー・ロペスも出てたかな。
田舎町に入っちゃって車が動かない、さて困った…っていう話なんだけど
すっげー怖いのw普通に考えたら帰れるはずが何をどうしても帰れない状況に
なる、軽くホラーだよホラー。

話戻って、映画の内容ですが、あらすじの通りジミーの娘が殺されて
同日に不審な返り血を浴びて自身も怪我をして深夜に帰宅するデイブの
怪しさ…後々考えるとちゃんと伏線が張り巡らされていて、それも簡単に
犯人がわかるような、シンプルな伏線。

でも役者さんたちの縁起がすごすぎてわからなくなっちゃったw
イーストウッド作品なので多少構えて観ていたため、単純に意外な犯人で
「どうだった?」っていうだけの映画じゃないだろうな…とは思ってたんだけど
斜め上、ずーーーーっと上をいく衝撃的ラストでした。

なんという理不尽で辛いお話なんだ…と思いつつ、アメリカ公開が2003年、
その年は…そう、イラク戦争があったんだ!と気づいてやっと納得できた感じ。

物語のラスト、ジミーの妻が夫に放つ一言、これがもう不自然で
酷い詭弁で、映画全体の重厚な雰囲気を一気にぶち壊すほどの破壊力を
持ってます。
なんで??なんでこんなこと言うの?なんで監督こんな糞みたいな
台詞で締めちゃうの?って思って、腹わた煮えくり返るんだけど……。

落ち着いて考えたら、この映画を最初から観ている人間なら
気づくようにきちんと計算された台詞だったんだな…とわかる。
逆にこの台詞が映画全体から浮いている、と感じなきゃ観た意味がない。

※ネタバレ要素入ります

 

こうして、落ち着いていろいろな場面を思い出してみると、レイを殺しておきながらその妻子へ仕送りを続けるジミーの偽善者ぶり。

思い込みでデイブを殺した癖にラストまるで被害者のごとくふるまうナルシストっぷり。

薄っぺらい讃辞を送る盲目信者のごとき妻。

なんともはや、大義名分を掲げて戦争始めるアメリカそのものじゃないか。(私は反米思想とか特にないけど)

そういうメッセージをこめるために、デイブの妻が最後にジミーに復讐するようなありがち演出にしなかったんだなぁ、、。

エンタメ性求めるなら復讐エンド、因果応報スッキリエンドだよな。

結局デイブの妻は夫が殺されることに荷担したんだから、、負けたんだよね戦争に。

そんなことを考えつつも…ほんとに酷い余韻w
いろんな感情が整理つかない。

3人の人生、そして3人の妻それぞれが抱く思いと覚悟、明暗分かれた?と
感じるかもしれないけど、この映画のエンドロールが降りてから
彼らの行く末をどんな風に想像するかは観た者にゆだねるってことなのかな。

いかにもイーストウッドらしい気取りのある映画の作り方だな…と
思いました。でもうまい、やっぱりうまいです。

前半の静けさから徐々に観る側を抜け出せない底なし沼に落として、

終盤の映像切り替え、畳みかける演出をこれでもか、と見せつけてくる、ほんと目が離せなかった。

でも二度は観たくないな。

『チェンジリング』のきつさに比べたらまだマシかもしれないけど。

 

こんな後味の悪い考えさせられる映画の中で、
ひとつだけ笑えた?場面があってw
弾道について分析していた警官が妙にヒゲヒゲしい…w
ちょい役にしちゃ半端な存在感放ってておもしろかった。

映画感想